前回までは、癌のレメディーの種類、癌手術前後のレメディーの扱いについてでした。
今回は一般的に多く使用される癌のレメディーの種類のご紹介です。詳しくは各マテリアメディカやセミナーテキスト、補修講座資料をご参照ください。投与法に関しては第89回をご参照ください。
☆The Cancer Nosodes
Cancer Nosodesにはいろいろな使い道があります。
1. 癌治療のためにorgan-specific remedy や体質レメディと交互に使用する。
2. 癌再発予防
3. 進行した症例には、palliative medicineと併用して症状を軽減する。
4. 癌家系の予防に。
などなど。
Cacinocin
このレメディは、主に乳腺癌から作られています。(メーカーによって他のいろいろな部位の癌細胞が加えられているものもあります)Cancer Nosodesの中で最もよく使用されます。
Scirrhinum
このレメディは、肝臓癌から作られます。これは癌が固い場合(特に乳腺、肝臓、肺、前立腺、直腸、子宮などの癌や白血病など)には、Cacinocinよりも使用されることが多いレメディです。またCarcinocinでうまく好転しなかった時や腫瘍が硬くなってきたとき、肝臓を侵したときにも使用されます。(またこの逆にScirrhinumでうまくいかなかった時にCacinocinを使うこともあります)詳しくはDr.Burnettを御参照ください。
☆ Wide-spectrum Cancer Specifics
一般的に癌に多く使用するのは、Conium, Thuja, Arsenucum albumなどです。
Conium
このレメディはScirrhinumと同様に固い腫瘍で、食道癌、乳腺癌、胃癌、肝臓癌、前立腺癌などに使用されます。これはまた癌の骨転移病巣にも重要なレメディーです。
Thuja
皮膚の腫瘍やそれと似たように発育する胃癌や大腸癌、膀胱腫瘍、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌初期などによく使用されます。
Arsenucum album
このレメディはどこの部位の癌であれ、その影響から体の機能を維持するのに使えます。いろいろなステージで使えますが、特に末期の苦痛の軽減にはいいと思います。
☆ Organ-Specific Remedies
ホメオパシーでは、ある特定の部位の癌によく使うレメディというものが多数あります。
これに関しては非常に多いので、数例だけあげておきます。
Sabal serrulata-----前立腺癌
Terebinthina-----膀胱癌
Plumbum iod.----脳腫瘍
Hekla lavaとSymphytum----骨腫瘍
Lycopodium------肺癌
などなど。
投与法にかんしては、補修テキスト癌のレメディー投与法を参照してください。
一般的にはPlussing methodやSplit dose methodを組み合わせるのを基本とします。
またThe Schuessler tissue Saltsも特定の癌と併用することがあります。これに関しては後日紹介しますので一例だけ挙げておきます。(Calcarea fluorica 骨腫瘍に併用、 Ferrum phos. 血液の癌に併用など)
またAHCCや鮫軟骨など単品使用では効果があまり期待できないものでもホメオパシーと併用することによって効果があるものも多くあります。
それでは、実際にどのようなレメディがよく使われるのかほんの一例をあげてみましょう。
肺癌---よく使用されるのは、Lycopodium, Kali-bich, Argentum nit. Lachesis
乳腺癌-------Conium, Pulsatilla, Sepia, Phytolacca, Phosphorus
肝臓癌----Chelidonium, Hydrastis, Nat-sulph., Lycopodium,など。
脳腫瘍-----Plumbum iod., Baryta carb., Aethusa cyn., Baryta iod., Zincum sulph.
口腔内腫瘍---Aurum mur., Hydrastis,
咽頭部、声帯部腫瘍---Thuja, Phosph., Argentum nit., Lachesis, Kali bich.
甲状腺癌-Thuja, Spongia, Iodum, Lachesis,
唾液腺腫瘍----Phytolacca
食道癌-----Causticum, Thuja, Arg-nit., Silica, Arsen. Alb.
縦隔腫瘍---−Thuja, Spongia, Scrophularia nodosa
胃癌-----Hydrastis, Cadmium sulph., Arsen. Alb., Kali bich.,
膵臓癌-−Hydrastis, Ceanothus americanus, Arsen alb., Cadmium sulph., Baryta iod.
大腸癌---Aloe, Thuja, Arsen alb., Lycopodium
直腸癌----−Nitricum acid., Aloe, Thuja, Lachesis, Sulpher
膀胱癌-----Terebinthina, Thuja, Conium,
前立腺癌-−Thuja, Conium, Sabal serrulata, Lycopodium
卵巣癌---−Aurum mur. nat., Viburnum prun., Thuja, Sepia, Lilium tigrinum
子宮癌---Aurum mur. nat., Thuja, Sepia, Viburnum prun., Lilium tigrinum,Lachesis
子宮頚癌--- Aurum mur. nat.、Pulsatilla, Sepia, Lilium tigrinum
骨腫瘍---Hekla lava, Symphytum, Aurum met., Cal. Carb.
白血病---Hekla lava, Symphytum、Ceanothus ame.、Strontia
黒色腫----Arsen alb., Arsen Brom., Causticum, Calcarea arsenica
皮膚癌---Arsen brom., Arsen alb., Sulpher, Euphorbium
(参考Dr.Ramakrishnan, Dr.Coulter, Dr.Burnett)
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