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ホメオパシー獣医師臨床コースのご案内

ホメオパシー獣医師向け講座 第65回


Drosera rotundifolia ドロセラ

Droseraは、北半球の沼地、池や川のそばの湿地帯に生育する食虫植物です。一般的に、Round-leafed sundew, red-rot, sundew, dew-plant, youth wort, moorgrass, oreille du diableなどと呼ばれています。丸い葉は( rotundifoliaとは、円形の葉という意味です) 、触手のような形をした赤く長い腺毛を持っています。この腺毛の先端には分泌腺があって、きらきら光る粘着性の物質を小さな水滴状にして、虫をおびき寄せます。ひとたび虫が葉につくと、腺毛と葉が虫を包むように曲がっていき、捕らえます。虫に腺毛が巻きつくのに24時間程費やします。そしてその後2日間かけてゆっくりと栄養分を吸い取っていきます。腺毛から出る粘液には、動物の胃から出る消化酵素pepsinに近い成分のプロテアーゼが含まれています。Droseraは、一つの個体で20から30の葉を持っていますが、一匹の虫を捕まえれば、数年分の養分をまかなえると言われています。
この植物に日が射すと、腺毛の分泌物がより多く出て、葉があたかも露で濡れているように見えます。Droseraの名の由来は、ラテン語のdrosos(雫)から来ています。
Droseraは、16世紀には結核の治療に使われていました。Droseraを多量に食べた羊は夜間に咳がひどくなり死亡し、猫に投与した例では、胸膜に結核結節様の病変が点在したという報告があります。
民間療法でも、この植物のエキスは、結核や痙攣性の咳、百日咳の治療薬として使われていました。
ホメオパシーでは、7月の開花期初めのこの植物全体を原料にします。この植物の汁はぴりっと苦く、無臭で、糖質、各種酸(クエン酸、リンゴ酸など)、タンニン、フラボノイド、ナフトキノン、プロテアーゼなどを含んでいます。
ドロセラはハーネマンによってプルービングされました。(Materia Medica PuraVol.6)

>Droseraは、主に呼吸器系に強く作用し、特にの治療に使用されます。
○ 呼吸器疾患
喉頭炎、気管支炎、百日咳
百日咳や肺結核に重要なレメディーです。ハーネマンはドロセラは百日咳の主要レメディーであるとし、治療は低めのポテンシー30cを使用していました。

咳は、胸の奥から吠えるような乾いた咳で、胸の炎症や痛みを伴う場合もあります。肋間の痛みは押すと少し楽になります。呼吸困難になる程の咳の発作になることがあり、激しい咳込みから、嘔吐、鼻血、発汗を起こすことがあります。咳の発作中は、顔がチアノーゼのようになります。痰がある時は黄色く糸を引く粘液状で、ひどい咳の時は血が混ざることがあります。喉頭部に炎症性刺激があり、ドロセラの腺毛に虫がからんだような又は羽毛がからんだような感じで痰がからむことがあります。
咳で、その家系に結核の病歴があったり、結核の感染歴があったり、結核患者との接触がある例では、特に好んで処方されます。実際の結核患者には、低いポテンシーを使います。

○ リンパ系疾患
気管支アデノパシー(特に結核感染によるもの)

○ 骨関節疾患
ウイルス性関節炎やツベルクリン接種後の関節の痛み
若齢動物の股関節のリューマチ
(関節の痛みのほかに、長骨や脊椎の中に痛みがあるような感覚があることがあります)
成長痛

○ 若齢動物の行動療法
これに関しては、後の補修で詳しく取り上げていきます。

悪化する要因は、深夜以降、横になった時、ベッドで温まった時、飲物を飲んだ時、歌ったり笑うことなど。
好転する要因としては、外気、、手で圧迫すること(咳で胸の痛みのある場所を)、歩くこと、活動している時、ベッドから起き上がるなどです。

Antidoted by; Camph.
Complementary; Nux-vomica
Compatible; Calc-carb. Pulsatilla.. Gnaphalium,Veratrum alb.


他の咳のレメディーはたくさんありますが、そのほんの一部を参考に見てみましょう。今後補修メールで詳しく取り上げていきます。

Ambra griseaも百日咳のレメディーです。特に騒音や音楽で悪化するので、人の多い所、友人や家族の集い、会話などが苦手です。慢性鼻炎や喘息で他のレメディーがうまく反応しなかった場合にも使用してみることがあります。それ程使用頻度は多くありません。

Anti-tartは、喘息、気管支炎の重要なレメディーです。粘着性の強い痰でゼロゼロいう咳に。怒りや食べることがキーです。暖かいと悪化します。

Bromium
は、呼吸器粘膜に作用します。喉に冷たい感覚があります。暑くても寒くても悪化します。家のホコリで悪化します。海辺や、乗馬、髭剃り後に好転します。

Bryonia
は、激しく、乾いた咳で、冷たい水を多量に欲しがります。咳で胸が痛くなります。暖かい室内で悪化します。

Coccus cacti
は、Droseraのように激しい咳が特徴のひとつですが、痰が非常に粘性が強く吐出し困難です。冷たい飲物で楽になります。いがらっぽい激しい咳で、咳がひどいと嘔吐することもあり、口のまわりに粘液が糸をひきます。暖かい布団で悪化します。

Dirca pal.
朝に咳が悪化、不快な甘い味の痰が出ます。胃腸障害もあります。

Hepar-sulph
は、すでに勉強して理解していることと思います。苦しい吠えるような咳で、寒気で悪化します。黄色い痰が絡んでなかなか排出できません。冷たい空気で悪化した時や風邪が悪化した時によく使用します。

Ipecac
は、咳と共に吐き気を伴い、痰を吐きます。

Kali-bich
 1-2時に悪化する喘息で、緑黄色の濃い痰が出ます。 風邪の治りかけの時や慢性副鼻腔炎にも使います。寒さや夜、早朝に悪化し、暖めると改善します。

Myosotis
肺の左後葉に作用します。

Phosphrus
すでに勉強したおなじみのレメディーです。

Rumex
は、新鮮な空気を吸うと、喉がむずむずして、しつこい咳が出ます。泡状の唾液や痰が出ます。口を押さえると楽になります。冬の風邪のレメディーでもあります。薄着になったり、包まる物がないと悪化します。キャンディーを舐めたり、飲物を飲むと改善します。

Sanguinaria cana.
右側、咳が消化器系の異常と関連しています、インフルエンザや百日咳後の咳

Senega
嗄声、多量の切れにくい痰、激しい空咳、胸の痛み、老齢動物の慢性呼吸器疾患からくる咳に使用します。Senegaは、サポニンの原料です。

Spongia
は、犬が吠えるような咳で、のこぎりで木を切るような音がします。窒息しそうな感じになります。興奮や寒い空気で悪化します。横になると楽になります。小型犬の咳で非常に有用です。

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